花筐/HANAGATAMI

1941年の春。アムステルダムに住む両親の元を離れ、佐賀県唐津に暮らす叔母(常盤貴子)の元に身を寄せることになった17歳の榊山俊彦(窪塚俊介)の新学期は、アポロ神のように雄々しい鵜飼(満島真之介)、虚無僧のような吉良(長塚圭史)、お調子者の阿蘇(柄本時生)ら学友を得て“勇気を試す冒険”に興じる日々。肺病を患う従妹の美那(矢作穂香)に恋心を抱きながらも、女友達のあきね(山崎紘菜)や千歳(門脇麦)と“不良”なる青春を謳歌していた。しかし、我が「生」を自分の意志で生きようとする彼らの純粋で自由な荒ぶる青春のときは儚く、いつしか戦争の渦に飲み込まれてゆく。「殺されないぞ、戦争なんかに!」俊彦はひとり、仲間たちの間を浮き草のように漂いながら、自らの魂に火をつけようとするが…。

『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の尾道三部作をはじめ、数多くの“古里映画”を撮り続けてきた大林宣彦監督が、佐賀県唐津市を舞台に幻の脚本を40年の時を経て映画化した、太平洋戦争勃発前夜を生きる若者たちの心が火傷するような凄まじき青春群像劇。主演を務める大林映画常連の窪塚俊介のほか、『STAR SAND -星砂物語-』の満島真之介、『クレヴァニ、愛のトンネル』の矢作穂香、『だれかの木琴』の常盤貴子、『容疑者Xの献身』の長塚圭史、『超高速!参勤交代』の柄本時生、『神さまの言うとおり』の山崎紘菜、『KOKORO』の門脇麦などの個性溢れる実力派が、余命宣告を受けながら完成させた『この空の花』『野のなななのか』に続く大林宣彦的“戦争三部作”の締めを飾る魂の集大成に集結している。