終わった人

一流企業のエリート街道を歩んでいた田代壮介(舘ひろし)は、同期のライバルに負けたことで出世コースから外れ、子会社に出向させられてしまう。仕事一筋だった壮介は、そのまま銀行に戻ることなく定年の日を迎え、翌日から時間を持て余してしまう。公園、図書館、スポーツジムなど時間を潰すために立ち寄った先は、至る所に老人ばかり。美容師として忙しく働く妻・千草(黒木瞳)につい愚痴をこぼし、次第に距離を置かれてしまう。このままではマズイと職探しを始めるも、高学歴・高職歴が邪魔をして思うように仕事が見つからない。しまいには、千草や娘・道子(臼田あさ美)から「恋でもしたら?」とからかわれる始末。ある日、大学院で文学を学ぼうと思い立った壮介は、勉強の為に訪れたカルチャースクールの受付嬢・浜田久里(広末涼子)に想いを寄せるようになる。さらに、通い始めたスポーツジムで知り合った新興IT会社ゴールドツリー社長・鈴木直人(今井翼)から会社の顧問になって欲しいと頼まれ、壮介の人生が大きく変わろうとしていた。定年を過ぎて仕事に恋に、第二の人生を歩み出した壮介。順風満帆に思えたのも束の間、次々と壮介の身に災難が降りかかってしまう。そして、ずっと支えてくれていた千草からも愛想を尽かされ、「卒婚」を提案される…。

大河ドラマ「毛利元就」やNHK連続テレビ小説「ひらり」など、数々の脚本を手がけヒット作を世に送り出してきた内館牧子による、シニア世代の今日的問題をシリアス且つユーモラスに描いたベストセラー小説を映画化。世間から「終わった人」の烙印を押されてしまう主人公・田代壮介を演じるのは、『さらば あぶない刑事』の舘ひろし。輝きを失った夫と向き合えない美容師の妻・田代千草を『箱入り息子の恋』の黒木瞳、壮介が密かに想いを寄せるカルチャースクールの受付嬢・浜田久里を『想いのこし』の広末涼子、すれ違う両親の姿を見守っていく娘・山崎道子を『南瓜とマヨネーズ』の臼田あさ美、壮介の人生の転機となる新興IT企業社長・鈴木直人を映画初出演の今井翼のほか、ベンガル、清水ミチコ、温水洋一、高畑淳子、田口トモロヲ、笹野高史などバラエティ豊かなキャスト陣が顔を揃える。監督は、『リング』『仄暗い水の底から』など数々のホラー作品で観客を震え上がらせきた中田秀夫。