ディヴァイン・ディーバ

1960年代のブラジル。軍司独裁政権下の厳しい時代にゲイやレズビアンなど性的少数者達には、今のような自由はなかった。だが、彼らは、女性装をして芸能の才を披露することで、自分らしく生きることを選んだ。かつてレジェンド達が歌い、踊っていた拠点であるリオ・デ・ジャネイロのヒヴァル・シアターの創立70周年を記念し、この劇場から巣立ったレジェンド達を一堂に会した「ディヴァイン・ディーバス・スペクタクル」が開催。2014年に行われた特別版、レジェンド達のデビュー50周年祝賀イベントのプレミアでは、長い間舞台の仕事からは遠ざかっていた高齢の彼女らが、文句タラタラ四苦八苦しながら演目に挑む姿をとらえつつ、輝かしい60年代のシーンを振り返っていく…。

ブラジルで活躍した異性装パフォーマー、またはドラァグクイーン達のなかでも第一世代とよばれる、いわばドラァグクイーンカルチャー黎明期を支えた人々を追ったドキュメンタリー。当時の貴重な歴史映像や写真が織り込まれ、ブラジルのサブカルチャーを紐解く史料的な価値もあり、それは芸能・サブカルチャーのシーンだけではなく、広く社会的な意味も持つ。独裁制社会と戦い、表現の自由を勝ち取ったレジェンド達から出てくる言葉はときに辛辣で、ときにユーモアたっぷり。この自由こそ今の世の中に欠けていることなのではないか、と問いかける。監督は、本作が監督デビュー作となる、ブラジル人女優のレアンドラ・レアル。