顔たち、ところどころ

映画監督アニエス・ヴァルダと、写真家でアーティストのJR。年の差54歳。サングラスを決して取ろうとしないJRにやきもきし、ゴダールが『はなればなれに』で作ったルーブル美術館の最短見学記録を塗り替えたり、時に歌い、笑いながら、でこぼこな二人旅は続く。炭鉱労働者の村に一人で住む女性、ヤギの角を切らずに飼育することを信条とする養牧者、港湾労働者の妻たち、廃墟の村でピクニック、思い出の海岸。フランスの田舎街をめぐり出会ったのは、美しい風景と、たくさんの顔、顔、顔。「JRは願いを叶えてくれた。人と出会い顔を撮ることだ。これなら皆を忘れない」とつぶやくアニエスは、願いを叶えてくれたお礼にとJRにあるプレゼントをしようとするが…。

「ヌーヴェルヴァーグの祖母」とも呼ばれる女性映画監督の先駆で、カンヌ、アカデミー両賞で名誉賞を受賞しているアニエス・ヴァルダと、大都市から紛争地帯、様々な場所で、そこに住む人々の大きなポートレートを貼り出すアートプロジェクトで知られるアーティストJR(ジェイアール)が、フランスの田舎街を旅しながら、人々とふれあい、作品を一緒に作り残していくロード・ムービースタイルのハートウォーミングなドキュメンタリー。